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第69回読書会 平成28年7月14日 藤沢周平『暗殺の年輪』文春文庫

藤沢周平の初期の『黒い縄』『暗殺の年輪』『ただ一撃』『溟い海』『囮』の5作品を集めた短編集を取り上げた。このうち『暗殺の年輪』が第69回直木賞を受賞している。藤沢作品は、これまでも第36回読書会(2014年1月)で『用心棒日月抄』を取り上げている。
■時代小説はけっこう読むが、藤沢周平作品は初めて。『暗殺の年輪』の主人公、馨之介は過酷な運命を背負った下級武士だ。父は切腹、母は馨之介に密通をとがめられ自害する。とにかく暗い話だった。『黒い縄』は推理小説仕立てで面白く読んだ。
■『用心棒日月抄』を読んでいるうちに引き込まれ、シリーズ全4巻を買って読んだ。今回の課題本にも心を打たれた。当分、藤沢周平にはまりそうである。
■『暗殺の年輪』は、下級武士の悲劇を扱ったとてつもなく暗い作品。それにしても暗すぎる、何とかならぬのか、何処にも救いはない。
■作者の情況描写の巧みさに舌を巻く。映像を目の当たりにしているようで、場面、場面が映画のカット割りのように彷彿としてくる。その場の情景を語るだけでストーリーが生き生きと立ち上がってくるその手法は、すごいとしかいいようがない。
■『暗殺の年輪』は暗すぎる、救いのない小説だ、との意見が出たが、救いはある。ラストで主人公が父母の敵を討ち、武士を捨てて居酒屋の娘のもとに走る件は、明日に向けて旅立つ馨之介の門出である。『溟(くら)い海』は人物描写が素晴らしい。北斎、広重、英泉など、人間の内面の葛藤を克明に掘り下げている。
暗殺の年輪
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