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第68回 平成28年5月12日 宮本輝『泥の川・蛍川』新潮文庫

宮本輝は、平成21年2月19日第25回読書会で『優駿』を取り上げて以来2冊目。『泥の川』太宰治賞、『蛍川』芥川賞を受賞。昭和30年代初期の世相を、セピア色の郷愁に滲ませて切り取った秀作。切ない本を読んだと、好評であった。

■昭和初期、皆が貧乏だった時代を懐かしく思い出している。廓(くるわ)船(ぶね)の親子3人が胸を打つ。『泥の川』の悲惨さに比べ『蛍川』は明るい作品で、蛍の乱舞する件(くだり)は圧巻。
■『泥の川』は、イントロ部分の描写がすばらしい。映像化するとすればやはりモノクロだろう。信雄という小学生の視点で描かれているが、まわりの大人たちがじっと少年を見つめている構図である。小説の構成も巧みである。
■カニにたっぷり油を飲ませて火をつけるきっちゃんに、信雄は戦慄を覚える。船べりに逃げるかカニを追ううちに、隣室で男とまぐわう母親と眼が合い、少年は性に目覚める。読後感の重い、なんとも切ない小説である。
■『泥の川』は、お化け鯉が、廓船を吞み込むようにして後を追うラストが圧巻。『蛍川』は、いったん生を受けた限りは、命を大事にし、真摯に生きてゆくことの大切さを教えてくれる。
■『泥の川』は状況描写が分かりにくく作者が何をいいたいのか分からない。『蛍川』は、蛍がまるで川の底から湧き上がるように狂い舞うさまが圧巻で、息を呑む描写である。
■映画で感動、2度みた。泥の河のタイトルは、台風の後の淀川沿いに車で走って浮かんだタイトル。作者のライフワーク『流転の海』は富山を舞台にした作品だが、『蛍川』では、ホタルの乱舞する様を見て大阪行きを決意する件が印象的。
■この小説の時代背景と現代を見くらべ、その違いを改めて思った。『泥の川』は、お化け鯉が小道具として効いている。これを映像化するとすれば白黒しかない。
泥の河
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