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第31回 平成22年2月25日 ウィンパー『アルプス登攀記』

たいへん、面白く読んだ。臨場感に溢れ、読んでいて足のすくむ箇所がいくつもあった。予想以上の面白さだった。
マッターホルンとの戦いを綴った記録だが、一人称で書かれた紀行文、或いは小説としても面白く読める。ところどころ冗漫な箇所もあるが(アルプスのトンネル、氷河の運動)。何回もの挑戦と挫折を繰り返し、遂に頂上を極めるエンディングは圧巻である。誰も考えなかった東壁に目を付けてよじ登り、頂上付近で北壁に乗り換えていっきにてっぺんに立つ件は、まさにコロンブスの卵で、呆気なささえ感じる。

①ウインパーは多才で、登山家であると同時に挿絵画家、地質学者、気象学者としての才能にも恵まれている。文才もあり、彼の文章と本文の挿し絵とで、読者はその場の情況が手に取るように理解できる。また、その地質学的蘊蓄が、彼の科学的登山技術の確かさを裏付けている。
②岩棚に角の先が引っかかり、そのまま宙づりになって死んでいるカモシカ上巻237ページ「哀れなカモシカは、顔を空に向けて舌を出し、まるで点に救いを求めているような格好で、宙にゆれていた」
③マッターホルンの雷鳴・上巻263ページ
「雷のごろごろという音が反響である、という証拠を確かめ得たこれは唯一の機会であった」
④マッターホルンの東壁は、正面から見れば垂直にちかい70度の傾斜を持っているように見えるが、実際は40度を超えてはいない。この事実を現地査察で確認したウインパーは「落とせる」、と確信した。上巻110ページ
⑤エンディングで、4人の滑落者のあとから二本の十字架が現れて雲に映った、とあるが、これはでき過ぎと思う。(O)
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