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第84回読書会 令和元年5月9日(木)黒川博行『泥濘・ぬかるみ』文藝春秋社

元号が令和と改まって初の読書会は、課題本4度目となる黒川博行、『泥濘・ぬかるみ』を取り上げた。疫病神シリーズの最新作である。総論、期待通りに面白く読めたと好評だった。
■前作『喧嘩・すてごろ』、『破門』、『後妻業』と立て続けに読み、どれも面白かったが、この最新作が一番だ。とにかく大阪弁での人間描写が見事。極道の桑原、建設コンサルの二宮の疫病神コンビが活き活きと描かれ、三代目・二蝶会組長嶋田もいい味を出している。掛け合い漫才のテンポで進む上質のエンターテインメントだ。
■緩急自在の大阪弁のストーリー展開は見事で、まさにエンターテインメント小説の極みである。年寄りを食い物にするオレオレ詐欺グループに憤り、背後で糸を引く極道団体に戦いを挑む桑原、嶋田三代目組長に拍手を送りたくなる。一服の清涼剤を飲んだような爽やかな読後感、カタルシスがある。小説はこうでなければならない。
■登場人物がやたらに多く、表紙裏のプロフィールで一人一人を確認しながら読んだ。この二人は”腐れ縁”とでもいうのだろうか、お互いに嫌悪しながらも修羅場ではいつの間に助け合っている。この小説には、関西弁がよく合う。
■小説というより漫才テンポのエンターテインメント小説で、回転の速いストーリー展開が魅力。文句なしに面白かった。場面々々が実にリアルで、一気に読んだ。この作家は人気が高く、図書館でも30人待ちだった。
■極道組織、犯罪に加担する警察OB組織、オレオレ詐欺グループ等、登場人物が多岐にわたり、作者はプロフィールをつけることを忘れない。二宮と桑原の掛け合い漫才で話が進み、今回も面白く読んだ。
■まるで面白くなかった。悪党ばかりで善人が出てこない。主人公の二宮はぐうたらな寄生虫的若者、自堕落で、まじめに人生を生きていない。救いは彼がインコを可愛がる件。読後感の悪い小説だった。
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