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第80回読書会 平成30年年9月13日(木)レイモンド・チャンドラー『さよなら、愛しい人』村上春樹訳(早川書房)

前回に引き続き、幹事の独断で村上春樹訳、.R.チャンドラーを読んだ。ストーリーをひねる癖があるこの作家は、二回連続とあって少し敬遠されたようだが、小説の質の良さは理解してもらえたようだ。
■村上春樹の『1Q84』を四苦八苦して読んだが、読み比べてみると、共通の文章の流れを感じた。村上が情景描写に拘るのは、チャンドラーの影響なのだと思った。冒頭、大男のへら鹿マロイが、とばく場の前に立つシーンの描写など、実に細かく、こういう描写が随所に出てくる。恋焦がれた女ヴェルマの最後のどんでん返しが良かった。
■悪玉・へら鹿マロイ、というひぐまのように凶暴な大男へのマーローの思いやり、憐憫の情が何とも切なく、たまらなく良い。ひぐま男と昔の恋人ヴェルマを縦糸に、宝石泥棒団と暗黒街のボス、警察署長等を横糸に配して、最後のどんでん返しでヴェルマの正体がばれる件は、あっといわせる。何時読んでもレイモンド・チャンドラーは味のある、泣かせる作家だ。
■途中までしか読めなかった。チャンドラー独特の比喩、表現があって、分かりにくい面はあるが、面白かった。新聞の連載小説を読むように、毎日どこかに起伏を設けて読者を引っ張る。ストーリーは錯綜しているが、高品質の翻訳で、分かりやすい。
■前回の『大いなる眠り』も今回も、分かりにくい展開だが、やっと慣れてきて、面白く読み終えた。主役のフィリップ・マーローは文句なしに良いが、暗黒街のボスや警察署長ジョン・ワックス等の脇役もまた光っている。マーローのぴりっとアイロニーのきいた台詞が、いい味を出している。
さよなら愛しい人
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