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第77回読書会 平成30年3月8日(木)カズオ・イシグロ『日の名残り』早川文庫

初めて読む作家、カズオ・イシグロの『日の名残り』を取り上げた。格調高い小説であると、好評であった。昨年末、ノーベル文学賞を受賞。代表作のこの作品は、1989年にイギリス・ブッカー賞(日本の芥川賞に相当)を受賞している。
■ブッカー賞受賞後すぐにPaperBackで読み、以来、彼のファンになった。昨年、村上春樹に先がけてノーベル文学賞を受賞したのは、この作品と昨年、テレビドラマにもなった『わたしを放さないで』が引き金になっていると思う。私もこのタイトルは好きで、同じタイトルで立ち飲み屋で一杯やる短編小説を書いたことがある。
■翻訳者の文章が素晴らしい。分かりやすく、格調高い日本語で、作品の良さを余すところなく伝えている。深い感銘を受けた。「執事」というイギリス階級社会独特の職業に命を懸ける主人公スティーブンス。その生き様に感動を覚えた。非常によかった。
■まず、翻訳が素晴らしい。執事という、日本にはない制度を描き切って、それを大英帝国の残照のなかに映し出した作者の力量を買う。完全な日本人の血だが、その発想はアングロサクソンのそれである。
■読みやすい日本語で、分かりやすかった。イギリスの貴族階級というのは、桁外れにリッチなのだと、驚いた。執事の品性、見上げたものである。
■本のタイトルがすべてを語っている。実にうまいタイトルを付けたものだ。スティーブンスは執事に誇りを感じ、愚直なまでに忠実に責務を果たした男だ。その生きざまは決して不幸ではない、恵まれた人生だったと思う。読み終え、本を置くと、もどかしさ、やり切れなさ、切なさのような何かが、重い余韻として残った。
■現在と過去との間を目まぐるしく移動し、それに翻弄される部分はあるが、大英帝国の歴史を活写した名作である。執事を失職して、新たなアメリカ人につかえることになるが、「これからはジョークの勉強をしよう」という彼の言葉が印象に残った。
■日本語の翻訳がとてもよかった。以前に映画で見た。『羊たちの沈黙』のアンソニー・ホプキンスが主演で、主人公の執事スティーブンスを見事に演じ切っていた。広大な貴族の屋敷だったダーリントン・ホールを舞台に繰り広げられる物語は、陰りゆく大英帝国の“日の名残り”を目の当たりにするようだ。スティーブンスと女中頭の淡い恋は、後ろ髪を引かれるもどかしさがある。
いま、大河ドラマ『西郷(せご)どん』にのめり込んでいる。ほんのごて、こん作品はごっちゃんじゃった。読んでくりゃい! お頼みもす。
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