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第38回 平成23年5月17日 熊谷達也『邂逅の森』

久しぶりに面白い本を読んだ。小説、こうありたい。東北地方を舞台に、マタギの実態を余すところなく描いた力作である。時代は日清、日露戦争、そして大正の世に移る。下界ではあれだけ人間くさく、酒色三昧の生活を送るマタギたちが、ひとたび山にはいると敬虔な山の神の僕に変身する。
主人公富治といっしょになるイクは、生まれついてのあばずれ淫乱女で、自ら好んで苦界に身を沈めるが、結婚後は献身的に富治につくす。その献身ぶりが涙を誘う。
エピローグでの、ヌシと呼ばれるツキノワ熊との闘いは、圧巻である。片足を食いちぎられ、満身創痍の富治は、やがて立ち上がり、よろけながらも雪の山道を、我が家を目指す、イクのもとへ。
三宮センター街の古本屋で、この作家のもう一つの作品「漂白の牙」を見つけ、読み始めた。これも東北の狼狩りの話で、新田次郎文学賞を受賞した作品である。
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